深い余韻にとらわれる、道尾秀介の最新長篇!

『月と蟹』

道尾秀介

第144回直木賞受賞

——月夜の蟹は、駄目なんだ。
「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」
「叶えてくれると思うで。何でも」
やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、
ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。
やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、
不穏なハサミを振り上げる——


月と蟹

月と蟹

  • 定価:1470円(税込)
  • 判型:四六判
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きっと生涯忘れない、子供たちとカミサマの物語

小学生の慎一と春也は「ヤドカミ様」なる願い事遊びを考え出す。100円欲しい、いじめっ子をこらしめる――他愛ない儀式はいつしかより切実な願いへと変わり、子供たちのやり場のない「祈り」が周囲の大人に、そして彼ら自身に暗い刃を向ける……。
注目度ナンバー1の著者による最新長篇小説。鎌倉の風や潮のにおいまで感じさせる瑞々しい筆致で描かれる、少年たちのひと夏が切なく胸に迫ります。

道尾秀介さんプロフィール写真

道尾秀介(みちお・しゅうすけ)

1975年生まれ。2004年『背の眼』でデビュー。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞受賞。09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞受賞。10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞を受賞。

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