女性が虫を踏み潰す姿にしか興奮しない大学教授、ネットの恋愛チャットで働く美女に恋をしたオタク青年、プライドと長年の独身主義が邪魔をして結婚に踏み切れない男、恋人にマッチョなところを見せたくて花粉症治療ためお腹に寄生虫を飼いだした男……。
真剣に恋をしたいと思いながら、ちょっとずれた行動に走ってしまう男女。
でもこんな恋でも恋は恋。
タブーなき時代、恋愛の形も無限に広がっていく。
恋愛の「いま」を鮮烈に描く作品集。
1977年和歌山県和歌山市生まれ。
同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒。
埼玉県川口市在住。
2002年勤めていた京都の通販会社を辞め、上京。
小説家を志し、山村正夫小説記念講座の門を叩く。
2007年短編「想い出ひらり」が教室の年間最優秀賞に選ばれ、「小説宝石」に掲載された。
SMクラブの女王様をはじめ数々のアルバイトを渡り歩きつつ小説を書き続ける。
2008年「虫のいどころ」で第88回オール讀物新人賞受賞。