才能に恵まれながら夫の抑圧に苦しむ人気脚本家・奈津。
創作への関与に耐えられなくなったある日、デビューから敬愛していた演出家との関係をきっかけに家を飛び出した。
演出家の支配的で圧倒的な性愛に溺れたあと、不意に突き放された奈津は、かつての先輩との再会で新たな情事を重ねていく。
自らの殻を破るような性遍歴が最後にもたらしたものは――。

立ち読み定価：1780円（税込）　496ページ　書誌ファイルへ >>

村山由佳（むらやま・ゆか）

1964年、東京都生まれ。
大学卒業後、会社勤務、塾講師などを経て、93年、「天使の卵～エンジェルス・エッグ」で第6回小説すばる新人賞を受賞。
主な著作に、『翼』『すべての雲は銀の…』『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズ、『天使の梯子』などの小説や、房総の自然に囲まれ動物たちと向き合う暮らしをつづったエッセイ集『海風通信～カモガワ開拓日記』『晴れ　ときどき猫背』『ヘブンリーブルー』などがある。
2003年、『星々の舟』で第129回直木三十五賞を受賞。
公式ホームページ　www.yuka-murayama.com