長与千種とライオネス飛鳥、そして彼女らに涙した全ての少女たち、その25年間の物語
柳澤 健
一九八五年八月二十八日、 巨大な大阪城ホールを満員にしたのは、 十代の少女たちだった。 少女たちの祈るような瞳がリング上の一点に注がれる。 二人は、私たちの苦しみを背負って闘っている。 あの二人のように、もっと強くもっと自由になりたい。 長与千種とライオネス飛鳥と、 そして二人に熱狂した少女たちの あのときとそれから。真実の物語。
1960年東京都生まれ。83年3月慶應義塾大学法学部法律学科卒業。空調機メーカーをへて84年に文藝春秋中途入社。編集のみならず、執筆もよくてがけ、その文章のうまさと着眼点のユニークさには定評があった。2003年7月に退社。アリ戦、ルスカ戦など、アントニオ猪木が1976年に戦った四つの異種格闘技戦から、プロレスとは何かを描いたノンフィクション『1976年のアントニオ猪木』(2007年)でデビュー、高い評価を得る。月刊文藝春秋に「時代を創った女 松任谷由美」を寄稿するなど、独特のテーマ選択と筆致でファンは多い。