定価:880円(税込)
発売日:2024年9月4日
南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。巻末に短篇「重命る(かさなる)」を特別収録。
「刑事は奇怪な事件を抱えて天才物理学者の扉を叩く」のキャッチコピーとともに、シリーズ第1作「探偵ガリレオ」が1998年5月に発売された。
ガリレオと称される天才物理学者・湯川学が、常識を超えた謎に挑むミステリー。 最先端科学、さらには専門知識を必要とするトリックを扱ったミステリーは、理系出身の著者ならではの独創性を誇る。通常だったらありえないトリックも魅力だが、その上に、「この人だったら、こういうことをしそうだ」という人物造形も読みどころ。
帝都大学の教授で、変人かつ天才の物理学者。通称「ガリレオ」。科学知識を駆使して数々の事件を解決してきた。現在は、横須賀のマンションで意外な暮らしを送っている。
警視庁捜査一課の刑事。湯川とともに多くの事件を解決してきた。今作では湯川の不自然な行動に疑問を抱きつつ、長年の信頼関係から、彼の言葉に従って捜査を進める。
警視庁捜査一課の刑事で係長。内海薫の上司。湯川とは帝都大学時代の同級生で、同じバトミントン部に所属していた。捜査の過程で湯川の名前に行き当たり、横須賀に会いに行く。
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、85年、「放課後」で江戸川乱歩賞受賞。99年、「秘密」で日本推理作家協会賞受賞。2006年、「容疑者Xの献身」で直木三十五賞受賞。同書は本格ミステリ大賞、2005年度の「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」各第1位にも輝き、12年にはエドガー賞(MWA主催)候補作となった。同年、「ナミャ維貨店の奇蹟」で中央公論文芸賞、13年に「夢幻花」で柴田錬三郎賞、14年に「祈りの幕が下りる時」で吉川英治文学賞、19年に野間出版文化賞、23年に菊池寛賞を受賞。また同年、紫綬褒章を受章。「白夜行」「麒麟の翼」「マスカレード・ホテル」「白鳥とコウモリ」「魔女と過ごした七日間」「あなたが誰かを殺した」「クスノキの女神」など著書多数。幅広い作風で活躍し、圧倒的な人気を得ている。
千葉・房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮かび上がってきた。刑事・草薙は、横須賀の両親のもとに滞在する湯川学を訪ねる。「ガリレオの真実」が明かされる最新長編