定価:1,815円(税込)
発売日:2021年9月3日
千葉・房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。
失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮かび上がってきた。
刑事・草薙は、横須賀の両親のもとに滞在する湯川学を訪ねる。
愛する人を守ることは罪なのか。
「ガリレオの愛と哀しみ」を描いた最新長編。
「刑事は奇怪な事件を抱えて天才物理学者の扉を叩く」のキャッチコピーとともに、シリーズ第1作「探偵ガリレオ」が1998年5月に発売された。
ガリレオと称される天才物理学者・湯川学が、常識を超えた謎に挑むミステリー。 最先端科学、さらには専門知識を必要とするトリックを扱ったミステリーは、理系出身の著者ならではの独創性を誇る。通常だったらありえないトリックも魅力だが、その上に、「この人だったら、こういうことをしそうだ」という人物造形も読みどころ。
帝都大学理工学部物理学科准教授。最新作では、教授に昇進した。学生時代のバドミントン部のチームメイトだった草薙俊平が、警視庁捜査一課の刑事になっており、彼が持ち込む不思議な事件を解き明かしていく。いつしか刑事たちから、近代自然科学の父「ガリレオ」の名で呼ばれるようになった。女性が苦手というわけではないが、恋愛遍歴や家族構成は謎のまま。『真夏の方程式』で、子供嫌いは克服したようだ。
湯川と同じく帝都大学で社会学を学んだ後、警視庁へ。行動力、判断力に優れた捜査一課の名刑事となる。卒業後、湯川と草薙は互いに忙しく、疎遠になっていたが、シリーズ最初の事件で、力を借りたことをきっかけに、男同士の友情が復活した。最新作『沈黙のパレード』では、アメリカから帰国した湯川と四年ぶりに再会。同作の前半では、若き草薙刑事の「敗北」が描かれている。
警視庁捜査一課の刑事であり、草薙の部下。『ガリレオの苦悩』に収録された「落下る」で初めて登場した。女性だからという理由で特別扱いされることを嫌っている。観察眼が非常に優れており、『聖女の救済』では、独自の動きで、犯人を追い詰めていく。内海の事情聴取を受けた男性から、「わりと美人だけど、目つきはやたらと鋭い」と評されることもある。
一九五八年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒業。八五年、『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。九九年、『秘密』で日本推理作家協会賞、二〇〇六年、『容疑者の献身』で直木賞、一二年、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で中央公論文芸賞、一三年、『夢幻花』で柴田錬三郎賞、一四年、『祈りの幕が下りる時』で吉川英治文学賞、一九年、野間出版文化賞を受賞。『聖女の救済』『真夏の方程式』『禁断の魔術』『沈黙のパレード』などのガリレオシリーズのほか、『マスカレード・ナイト』『魔力の胎動』『希望の糸』『クスノキの番人』『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』『白鳥とコウモリ』など著書多数。
千葉・房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮かび上がってきた。刑事・草薙は、横須賀の両親のもとに滞在する湯川学を訪ねる。「ガリレオの真実」が明かされる最新長編